本作品は2016年作です。

●霊能サロン「ドロン・ドロ」 シリーズ●

<第19話 魂の故郷>

 ある日、ちょっときつそうなタイプの女性がみさに相談に来た。
その人はどうやら、人権擁護の団体の人のようである。
みさにタブレット端末を見せながら、
「この動画を投稿した人を教えて欲しいの?」と言ってきたのである。
その動画はヘイトスピーチみたいな内容で、障害者に対する誹謗中傷を主張している動画であった。
しかも、道行く障害者にインタビューして勝手に動画に収めたりしているのである。
嫌がる障害者の表情を楽しんでいるかにも見える悪質なものであった。

「この動画の投稿者は障害者に対する差別だけじゃなくて、
 人種差別、女性蔑視などあらゆる差別の動画を
 作って投稿している悪質ユーチューバーなんです。
 私の所には被害を受けた人が大勢苦情を訴えてきています。
 許せないです。
 以前は道行く女性にこんな嫌がらせまでしてるんですよ」

と言って別な動画を見せた。次々と女性に強引にインタビューしており、
侮辱する言葉を浴びせている動画であった。
男は女性に向かって、

「不細工な女性にインタビューしてます。
 あなたは不細工なことを自覚してますか?
 社会の迷惑になっている自覚がありますか?」
などとインタビューをして嫌がる女性の姿を撮影している動画であった。

「これは、れっきとした人権侵害です。とんでもない侮辱です。
 動画を見つける度に削除申請していますが、
 投稿者は次々とあちこちにアップしていてイタチごっごです。
 しかも、巧妙で身元が分からないんです。
 是非、投稿の主を特定して欲しいんです。
 被害者が出ないようにするためなんです。協力してください」

みさは怪訝な表情で答えた。
「すいません。犯人捜しはお断りしています。
 正確に特定することもできませんし、
 もし間違いがあったら大変ですから」
「相手を特定する手がかりだけでもいいんです。
 特定するのは我々です。間違いが無いように裏を取ります。
 あなたに責任を押し付けたりはしませんよ」
「でも、犯人を透視することは会社から禁止されていますので・・」

と言ってる間に相談者の携帯にメールが送られてきた。
女性は携帯を取り、メールを見て驚いた。

「これが噂のサービスメールね。凄いわね。
 投稿者の名前、住所まで書いてあるわ。
 ありがとうございます」

と言って帰っていった。
みさはマコトに注意をした。

「マコトさん、あなたのメールサービスはすばらしいんだけど。
 誰かを特定するみたいなことは止めて欲しいの。
 先日の駆け落ち騒ぎで懲りたはずでしょ?
 最近、東野さんが、マコトさんの情報を何かに利用しようと考えているみたいなの。
 東野さんに依頼されても絶対に答えないでね。
 あなたのメールサービスはお客さんを幸せに導く為だけに使って欲しいの」

すぐにマコトから「ごめん」というメールが来たのであった。

 数日後、みさが店のPC画面でインターネットのニュースをチェックしていると
気になる見出しを見つけた。

「ヘイト動画の男が特定され復讐のインタービューを受ける」

みさは「もしや?」とクリックしてみるとやはり、それは先日来た女性の仕業のようである。
記事には・・

 障害者や女性などに誹謗中傷を繰り返していた男が特定された。
人権団体がこの男を突撃した様子を撮影した動画が投稿されて話題になっている。

というものであった。
動画をクリックすると、女性団体の人達が大勢で男の自宅に押し掛けていきなり
インタービューする内容であった。男はあわてふためいていた。

「あなたが障害者を侮辱する動画を投稿していた犯人ですね?証拠はありますよ?」
と詰め寄っていた。証拠を見せられて男は否定できず、「うん」とうなづいた。
「あなたは無職ですね?
 無職の男性は世の中にとって迷惑です。粗大ゴミです。あなたはそれを自覚していますか?
 その上、ヘイト動画を出すような性格の悪い男って最低だと思いませんか?
 働きもしない、性格が悪い男は死んでくれた方が世の為だと思いますが どう思いますか? 
 さあ、答えなさいよ。はやく!

 それとね、私、女性の不細工を責めるような動画だしてる人だからよっぽどの
 イケメンだと期待して来たの。でも、あんたも相当な不細工じゃない。がっかりね。
 さあ、この鏡で自分の顔をしっかり見なさいよ」

とヘイトな言葉をずっと浴びせかけている動画であった。しかも近所中に聞こえるように
スピーカーを使っており、近所の人達が集まってくる始末である。
名前は伏せられているものの、顔と自宅がはっきり映し出されていおり、
地元の人には誰だか特定できるものであった。

「もし、これが人権侵害だと思うなら自由に訴えてくださいね。
 いくらでも戦ってあげますからね。こちらには弁護士がいっぱいいますから。
 自分のことは棚にあげて訴えるなんて恥の上塗りですけどね?あなたにできるかしらね?
 この動画は、裁判所から削除命令が出ない限り、永遠に配信し続けますから覚悟ください」

というほとんどリンチに等しい動画であった。

みさはこれを見て心を痛めた。
「やっぱり、こんなことになってしまったわ」
するとマコトからメールが送られてきた。
「ゴメン。僕のせいです。もう犯人特定はやめます」

 その夜、みさはいつものように夢の世界でダギフと会い、ゆったりとくつろいでいた。
みさは疲れていたが、今日はダギフ様の機嫌が良いように感じられた。いつもと違って
にこやかな表情をしている。
みさは聞いてみた。「ダギフ様、何か良い事でもありました?」
するとダギフはうれしそうに答えた。
「君はまだニュースを見てないようだね。アフリカのコンザ共和国のミラニド大統領が
 日本に来るんだよ。この人は国をまとめて繁栄させた人だ。
 その上、中国よりも日本を重視している。君のところにも来るはずだよ」
「え、大統領が私のところに?」
「まあ、お忍びでだよ」
「どうしてですか?」
「TVのニュースを見るといいよ。この人はみさが住む町と縁があるんだよ。
 これは偶然なんかじゃないよ」
ダギフはアフリカの偉大な政治家が日本に来ることが同じアフリカ人としてうれしいようであった。

 王様の部屋でみさとダギフがくつろいでいるとノックもせずに男が入ってきた。
「王子様、話があります」と無礼にもダギフに話しかけてきたのだった。
「ダギフ様、この方はどなたでしょうか?」
「紹介しよう。商人のマーコットだ。機械に強く頭がいい男だ」

マーコットはみさに挨拶もせずに王子に話をつづけた。
「王子様、西洋人達に対抗するために武器を購入しましょう。急ぐのです。
 購入ルートを抑えました。最新の銃を1000丁は手にすることができます」
などと進言していた。みさは、このマーコットに見覚えがあるように感じた。
「マーコットさん、どこかでお会いしませんでしたっけ?」
しかし、マーコットは思い当たるふしがないようで答えない。

「もしかして・・あなたマコトさんでしょ?」とみさは口にしてしまった。
「お妃様、私はマーコットです。マコトではないです」
「私のお店でメールサービスをしているマコトさんだわ。間違いないわ。
 500年前から機械に強い人だったのね?」とみさは噴出してしまった。
「お妃さま、何をいっておられるのですか? 私には何のことやら・・
 そんなことよりも、王子様、武器を購入して近代的な軍隊を作る時がきました。
 もう呪術なんて古いですよ。
 西洋の武器や技術を導入して早く近代化を進めるべきです」

丁度、隣の部屋で控えていたジェマがそれを聞いて
「何だと? 呪術が古いだと?」とこちらに入ってきた。
「あんたが呪術師のジェマとか言う人か? 呪術なんて時代遅れなんだよ」
「なんだこの男は・・あ、いや、ダギフ様、失礼しました」

みさはマコトが自分の前世と縁があったことを知って思わずジーンとしてしまった。
「マコトさんが店を手伝っているのは、こんな古い時代からの縁だったのね。
 私達みんな同じ故郷だったのね。縁って不思議だわ。

 それに、マコトさんて500年前から機械が得意だったのね。面白いわ。
 しかも、500年前から、ぶっきら棒なところがあるのね。
 あ、また現実と夢の世界をごっちゃにしてしまったわ」

 やがてみさは夢から目覚めて現実世界に戻った。
TVを付けるとトップでアフリカの大統領来日のニュースが流れていた。
40代くらいの若い大統領なので見た目もカッコいい。
とても親日で日本を愛しているとのことで、日本政府も大歓迎していたのであった。

 この大統領は内戦の続く国内を治めて、国を一つにまとめた英雄であった。
その手腕と誠実な対応は伝説的なものとなっていた。国の将来だけでなく
アフリカ全土にも影響を及ぼすだろうと期待されている最も輝く大物政治家であった。

 更にこの大統領ミラニドが注目を集める理由がもう一つあった。この人は
自ら「日本人の生まれ変わりだ」と主張していることであった。勉強したわけでも
ないのに日本語の多くの単語や名所などを知っており、自ら
「私は幕末の頃の日本人だった」と主張していたのである。

 近年、アフリカにもスピリチュアルの本が入ってきており、生まれ変わりなどの
話がブームになっている折でもあり、この大統領はこの不思議な逸話によっても
関心を集めていたのだった。
 当然、この話は日本でも話題になっていた。
「政治的な演出だ」と冷ややかに笑う者もいたが、信じる人も多く、
特にスピリチュアルやオカルト好きな人達の関心を集めていた。
早速「幕末の日本人って誰だろう?」という議論が沸騰し始めた。
ミラニドの決断力と行動力から「西郷隆盛では?」という説と、戦いを続ける
政府を説得して戦争を終結させた手腕などから「坂本龍馬では?」という説が有力であった。

 みさは「ダギフ様が言っていた大統領ってこの人だわ」と食い入るように見ていると
電話が掛かってきた。県の職員 吉田俊美であった。
吉田は店の運営やPRで手伝ってくれた人で自らアフリカに出向いて商談もこなす人であった。

「みさちゃん、今話題になっているミラニド大統領だけど、明日の夕方、みさちゃんの町に
 来ることになったわよ。みさちゃんにも同行してもらいたいけど大丈夫?」
「ええ、大統領がこの町に来るのですか?」
「ミラニド大統領とは商売のことで前から御付き合いがあったのよ。
 みさちゃんのお店を見たいと言ってるのよ。
 でも、それだけではないの。重要な目的があるの。これはお忍びよ。
 絶対に人に言ってはダメよ。明日大丈夫でしょ?」
「そんな重要なお仕事なら必ず同行します」

翌日の夕方、店じまいをすると突然、店の周りに私服の警察官のような人が大勢
集まってきた。そしてごく普通の車が1台やってきて、中から帽子をかぶり、
サングラスを掛けた黒人男性が降りてきて店に入ってきた。
男は「わたしは、ミラニドです。はじめまして」とみさに握手をした。
いきなり大統領が訪れてきて握手をしてくれたので胸の鼓動が張り裂けそうに
激しくなるのを感じた。

 大統領は店を興味深そうに見て回ったあと、かたことの日本語でみさに語り掛けた。

「すばらしい店です。これから日本と一緒に商売をしていきたいです。
 いまから私は・ぜんせ・の自分のお墓におまいり・します。
 いっしょに・きてください」
「ええ、前世のお墓がここにあるの?」と思わずみさは口にしてしまった。
「私は、自分のぜんせを覚えています。名前は トウドウ・シロウ と言う人です」
「え、西郷隆盛や坂本龍馬じゃないの?」と口に出しそうになったがそれは抑えた。

車で大統領とみさが郊外の墓地まで行くと、そこには既に私服の警察官が
大勢、墓参りの振りをして警備していた。その中にはあの東野美玲さんも居た。

吉田は事前に調べてあった藤堂四郎の墓に案内した。そのお墓は
とても小さいお墓で普通の庶民の墓という感じであった。
だがみさにはこのお墓には天から光が降っているのが見えたのである。

大統領は墓をみつめ、感慨にふけっていた。目から涙を流していた。
30分くらいそこで瞑想のように目をつむってお祈りをした後、
小さな声で墓にむかってつぶやいた。

「辛かったね。無念だったね。もうその無念は晴れたよ。
 立派に生きたね。何も間違ってなんかいなかったよ。もうお休み」

と他人事みたいな言葉をつぶやいたのであった。
そして大統領はSPと一緒に車で去っていった。
みさや吉田も帰路に就こうとしたとき、東野美玲がやってきて
釘を刺すように二人に言った。

「お疲れ様、同行してくれてありがとうね。
 ちょっと注意なんだけど、大統領がここに来たことは秘密なので
 絶対に言ってはダメよ。約束してくれるわね」

 その日の夜、みさが夢の中の宮殿に行くと、ダギフはとても機嫌が良かった。
やはりアフリカの大統領が日本を訪れたことは隠すことができないくらい
うれしいらしい。

「これからアフリカが世界の中心になる時代が来るんだよ。日本と手を結ぶ
 ことでアフリカはもっと良くなるだろう。こんなうれしいことはないよ」
と笑いを抑え切れなかったようである。
「ダギフ様、大統領は私の町の藤堂四郎のお墓を参拝していました。
 本当にこの人の生まれ変わりなんでしょうか?」
「そりゃ、大統領自身が言ってるんだから間違いないよ。
 みさの町の人だったんだよ。きみの町が魂の故郷だったわけだよ」
「みんな縁で繋がっているんですね。不思議ですね。
 ところで藤堂四郎という人はどんな人だったのかしら」
「図書室でその人の人生を見るといいよ。
 今日はアフリカの極上のお酒を用意した。
 それを口にしながら見てみるといい」

みさは図書室のソファーに座り、スクリーンを眺めた。そして藤堂四郎という
人の人生を見たいと思っただけでスクリーンには
映画の予告編のように人生の断片が映し出されるのであった。

 藤堂四郎という人は半分障がい者であった。
今で言う発達障害であり、言動に落ち着きがなく、物覚えがよくない。
風貌もどこか異様な感じである。
その為、いつも周囲の人達から馬鹿にされ、どこに働きに行っても叱られるばかり。
しかし、唯一の特技があった。抜群の嗅覚と温度や湿度を察知する優れた感覚である。

これは神業と言えるほどの精度で感知する能力であった。
これに目を付けた酒蔵の主人が四郎を雇ったところ、抜群の才覚を発揮したのであった。
やがて四郎は名酒と呼ばれるお酒の醸造に成功する。
遂に酒蔵をいくつか手にして独立することまでできたのであった。
金と名誉を手にすることが出来たのだったが、彼には手にすることができないものがあった。

それは女性との愛を手にしたことがないことであった。
子供の頃から周囲の女性にバカにされてきたので女性恐怖症だったのである。
だから遊郭に遊びに行くこともできなかったし、障害もあるので
嫁に来てくれる女性もいなかったのである。

そんな四郎にも優しくしてくれる女性が一人いた。
幼馴染の佐絵であった。佐絵はいつも四郎に声を掛けてくれた唯一の女性であった。
四郎はこの人に強い恋心を抱くようになったのである。
だが、佐絵は嫁入りしてしまい、手の届かない遠いところに行ってしまったのである。
四郎もすっかり彼女のことを忘れていた。

月日が経ち、四郎も四十近くになった頃、佐絵と再会する。
佐絵は夫に先立たれて未亡人となっていたのであった。
そこで四郎は佐絵にプロポーズする。
しかし、嫁入り先の家のことを考えてプロポーズを断るのである。
当時は今とは違う。簡単に再婚という訳にいかないのであった。

四郎はあきらめずにプロポーズする。
彼にとって唯一の女性であったから。
しかし何度通っても首を縦に振ってくれない。
そこで占い師に相談すると、
占い師は因縁がある為うまくいかないのだと適当なことを告げる。
因縁を解くには寄付をしなさいと言ったのであった。

そこで四郎は愚かにも酒蔵全てを売り払い、全財産を寄付するのである。
人生を掛けて築いた富を一人の女性の愛の為に、捧げてしまったのである。

しかし、結局は佐絵と結ばれることはなかった。
財産を持っていない四郎はもはやただのストーカーでしかなく、
佐絵の身内の若い衆に暴行されて追い返されてしまう。
その時の怪我が元で病気にかかり、そのまま死んでしまったのである。
四郎は死に際に神仏に対して文句を言う。

「どうして、こんなに頑張ったのに、
 どうしてこんなに世の中に尽くしたのに
 どうして私は愛を得ることができなかったのでしょうか?
 一度も愛を手にすることができなかったのでしょうか?
 神様仏様、私の生き方は間違いだったのでしょうか?
 それとも私はこうなる運命だったのでしょうか?」
彼はずっと叫び続けて孤独な死を遂げたのであった。

これが大統領の前世だったのである。
世間では前世は坂本龍馬だとか西郷隆盛だとか騒いでるが全然違う。

「どうして大統領の前世がどこにでもいる普通の人生なの?」

と疑問を抱いているとダギフがやってきて隣に座ってささやいた。

「この人は並々ならぬ努力をしたし、財産も潔く捧げたんだ。
 そういう意味ではどこにでもいる人じゃないよ。大物だよ。
 報われなかった分、神様は次の人生で幸せを授けてくれたんだろうね」
「今は大勢の人から愛されて幸せそうで良かったわ」

みさは幸せがずっと続く呪文 ワレテ・ヨチロロ・ベトノメメ・ワヘ
を唱えて大統領を祝福するのであった。

 その後、大統領は首相と会食したり、日本の観光名所を巡ったりして過ごした。
最後に人気TV番組「オーラの湖」に生出演する予定であり、その番組は
人々の注目の的になっていた。というのも、
この番組では 前世が見える霊能者 井原啓之氏が毎回、前世透視を行っており、
この放送で、大統領の前世が明らかにされると期待を集めていたからであった。
多くの人が「さあ、坂本龍馬なのか?それとも西郷隆盛なのか?」と興味を持ち、
賭けまで行われる騒ぎであった。

さて番組が始まり、最後のコーナーで霊能者井原はミラニドと対面して霊視をした。
しばらく目をつむった後にミラニドの前世透視の結果を口にした。
視聴者がかたずをのむ瞬間であった。

「この人の前世はやはり幕末の日本人です。
 実は、坂本龍馬や西郷隆盛を背後で操る知られざる大物がいたんですが、
 それがこの人の前世ですね。
 歴史には残っていないんですが明治時代まで黒幕として
 日本を導いてきた人ですよ」

とのことであった。これを聞いた視聴者の反応は様々だった。
「なるほど」という人や
「白黒つけずに玉ぐし色でごまかしだ」とがっかりする人もいた。

みさはTVを見て思わずつぶやいた。
「この霊能者は確かに能力がある人だけど、台本通りに喋ってるだけだわ。
 どうして本当のことを言わないのかしら」

するとシャップがみさを諭した。
「TVで本当のことなんて言えないんだよ。みんながっかりするだろ?
 それに外交上の配慮も必要なんだ。
 ここは玉ぐし色の内容にしておくしかないのさ。
 世の中には伏せて置いた方がいいこともたくさんあるんだよ。
 そんなものさ」
「そうなの」
「人生は意外なものなんだ。
 誰もが納得する前世の透視なんて演出でしかないんだ」
「でも、平凡な人が次の人生で大統領になれるものなのかしら?」
「大統領とか庶民とか区別するのは人間の浅知恵というものさ。
 神様にとっては大統領も庶民も同じなんだよ。
 誰にでも、いずれ舞台の主役が回ってくるんだ。
 この大統領は丁度今その役回りが回ってきただけなんだと思うよ。
 特別なことじゃないよ」

 大統領はこの時、前世の自分を思い出して深い郷愁に浸っていた。
苦しかったし、無念ではあったが懸命に努力し、決して誰かを傷つけることはせず、愚直に
生きた前世の思い出は彼が大統領まで登り詰める精神的な支えだったのであった。
大統領は前世の自分に心の中でお別れを言った。
「君は愚鈍で要領が悪く損ばかりしていた。でも、そんな君を僕は一番好きだよ。
 君の努力を誇りに思うよ。さようなら」

この日のオーラの湖には、ミラニド大統領の他に今一番人気がある俳優 友崎元(はじめ)
がゲストとして出演していた。
友崎は前世透視に感動して「すばらしい話です。日本人としてうれしいです」と
答えたのであった。
実は みさは友崎元のファンであった。ドラマの中の友崎の演技を見ていつも、
うっとりとしていたのであった。
「こんないい男に愛を囁かれたい。抱きしめられたい」と想像するのであった。

それが現実になろうとは、この時みさは予想もしていなかったのである。

つづく

※ ワレテ・ヨチロロ・ベトノメメ・ワヘ の呪文は幸福が長く続く効果がある呪文です。(推奨10回)



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